自作の物語文や思考実験。物語文はすべてフィクションであり、現実の社会・各業界を描いたものではありません。また物語文中に、失礼な発言や乱暴な行為をする人物たちが登場しますが、それらの行為を推奨するものではありません。作者はそのような行為には反対します。
◆「面接」 その1(2026年4月24日執筆)
面接官の質問に対して、就活生が尻文字で返した。
面接官は笑うだろうか? 怒るだろうか? 呆れるだろうか? 退室を命じるだろうか? 真剣に読み取ろうとするだろうか?
◆「博武」 第4話(2026年4月25日執筆)
ある夜。
博武「うわー! 家の中にセアカゴケグモがいるー!」
2時間後。
博武「結局、見失ってしまった。しょうがない。寝るか」
早朝。
博武「グーグー。……いってええええええええええ!!」
数分後。
博武「もしもし! 出ていただけてよかったです! 朝っぱらから電話してすみません。今日、病院へ行くので、会社には遅れていきます。昨日、家の中でセアカゴケグモが現れて、見失って、寝たんですが、さっき咬まれたんです」
上司・恭一「そのくらいで病院へ行くな! すぐ会社へ来い!」
博武「勘弁してくださいよ。病院へ行かせてください」
恭一「ダメだ!」
昼すぎ。
博武「遅れてすみません。病院へ行ってきました」
恭一「お前の席はもうなくなってるぞ。残念だったな!! ギャハハハハハ!!」
博武「そんな……」
恭一「まあ、いいか。許してやろう。ただ、ペナルティーがある」
博武「残業ですか? いいですよ」
恭一「1か月間、トイレ使用禁止だ」
博武「ええっ!? 何ですか、それは!?」
恭一「もよおしたら、ここから10分のコンビニまで行ってこい! ギャハハハハハ!!」
博武「その対応はおかしいのでは……」
恭一「何を言ってんだ? ここは社員数十人の有限会社だぞ。大企業じゃないんだぞ」
博武「ううううう……」
恭一「何を悩んでるんだ。オムツを着ければいいことだろう」
博武「……仕事中にオムツですか?」
恭一「宇宙飛行士は仕事中にオムツを着けてるぞ」
博武「え?」
恭一「ホントだぞ! ウソだと思うなら調べろ!」
その後。
女性社員・鳴江「おはようございます」
博武「お、おはよう」
鳴江「ちょっと。なんで股間を押さえてるんですか? セクハラですか?」
博武「違う! トイレに行きたいんだ!」
鳴江「行けばいいじゃないですか」
博武「上司に禁じられてるんだよ! 病院へ行って遅れたペナルティーとして!」
鳴江「ええっ!? そんなの無視していいですよ! 早くトイレに行ってください!」
数分後。
恭一「お、トイレ行ったか?」
博武「い、行きました」
恭一「ハハハ! 少なくとも約2時間半、我慢できたんだな!!」
博武「…………」
恭一「まあ、病院へ行くなとかトイレへ行くなってのは、揶揄しただけさ。本当にお前が病院へ行かないって言い出したら、そのときは病院へ行けって言ったさ。ところで、体調は大丈夫か? クモに咬まれたんだろ?」
博武「……は、はい」
恭一「あとこれ、高級な羊かんだ。お前、好きなんだろ? 羊かん」
博武「だ、大好物です!」
恭一「見舞いとしてこれをやろう」
博武「ありがとうございます!」
数分後。
博武「……あれ? あの人、理想の上司なんじゃないか?」
◆「博武」 第5話(2026年4月25日執筆)
博武「いろいろあったけど、なんとか今日も仕事を終えられたな」
恭一「よし、お前、もう帰っていいぞ」
博武「あっ、はい。お疲れ様です。失礼します……」
30分後。
博武「家のクモをまだ退治できてないから、激安ネットカフェに泊まりに来てしまった。今日は疲れてて、帰って退治する気にはならんからな」
翌晩。
博武「はあ、はあ……。やっとクモを退治できた……。……ん? 何だ、あれは!? ……ウソだ!! ウソだあああああ!! なんであんなものが、俺の部屋の中に!? 野生か!? いや、ここは沖縄でも小笠原諸島でもないぞ! そもそも何という種類だ!? 輸入木材に紛れて日本に運ばれて来たのか!? ……そんな……そんな……そんな……サソリだなんて!! ……と、とりあえず落ち着こう。さっき入れた、コーヒーを飲もう。アチチチ……」
ピンポーン。
博武「誰だよ!? こんなときに!? ……はいはい!」
隣人・大智「……こんにちは」
博武「ああ、隣の兄ちゃん。どしたの? 何の用? 今、忙しいんだわ」
大智「うちのペットのヤエヤマサソリちゃんが、逃げ出しちゃって。どこかで見かけませんでしたか?」
博武は、隣人の顔面に熱いコーヒーを浴びせ……ようとして、やめた。
◆「博武」 第6話(2026年4月25日執筆)
大智「捕まえました!」
博武「はー……」
大智「すいませんでした! では、これで!」
バタン。
博武「…………」
シーン。
博武「……まだ何かいる気がする!! 何も見えないけど、いる気がする!!」
◆「鳥居」(2026年4月25日執筆)
鳥居をくぐるときに、頭に上部中央の額が落ちてくる確率は何パーセントくらいだろうか?
◆「アサガオ」(2026年4月25日執筆)
アサガオとヒルガオとユウガオとヨルガオが同時に開花している状況というのは、ありうるだろうか?
◆「オトシブミ」 その1(2026年4月25日執筆)
オトシブミの揺りかごづくりを邪魔したら、どうなるだろうか?
◆「育夫」 第4話(2026年4月25日執筆)
九州旅行中のカップル、育夫と鳴江。
レストラン。
育夫「俺、ムツゴロウ定食」
鳴江「あたしもそれで」
15分後。料理が到着。
鳴江「ムツゴロウ定食って、ホントにムツゴロウがメインなの!? そういう名前がついてるだけじゃないの!?」
育夫「ホントにムツゴロウだよ」
鳴江「どうしよう。食べられないよ……」
育夫「は? なんで?」
鳴江「苦手だから」
育夫「ムツゴロウ食べたことあるの?」
鳴江「ないよ……」
育夫「食べたことないのに苦手とか、意味分からん。さっさと食べなよ」
数分後。
鳴江「意外と食べられる。もぐもぐ」
30分後。
育夫「レストランの隣にある土産物屋で、おやつ買った。美味いよ。1個どう?」
鳴江「うん! ちょうだい!」
育夫「ほい」
鳴江「な、な、な、何これえええええ!?」
育夫「ワラスボっていう魚の干物だな」
鳴江「食べられない! 怖い!」
育夫「食品に対して怖いって、頭おかしいの?」
◆「オトシブミ」 その2(2026年4月27日執筆)
オトシブミが揺りかごをつくるのと、日本文化を知らない20代アメリカ人が作り方を見ながら折り鶴を作るのとでは、どちらが早く完成するだろうか?
◆「SFファンタジー」(2026年4月29日執筆)
女子高生「今日からよろしくお願いします!」
高校に入学した彼女は、勉強も遊びも頑張ろうと思った。
しかし成績は上がらず、また、毎日がつまらないと感じていた。
女子高生「いつになったら賢くなれるんだろう? いつになったら毎日が面白くなるんだろう? 優秀な頭脳が欲しい。永遠の時間が欲しい」
そして女子高生は、神社で願いごとをした。
女子高生「天才に、そして不老不死になりたい」
そこへ神が現れた。
神「いいよ。グギャンポリャッピャラピョンギャリッピョ!!」
神が呪文を唱えると、その願いが叶い、女子高生は不老不死の天才となった。
彼女は人類が滅亡しても、生き続けた。
女子高生「みんな死んじゃった……。こんな世界で生きてても、仕方がない……」
彼女は朽ち果てた神社で、また願った。
女子高生「あたしの体をもとに戻してください」
神「もとに戻す呪文を忘れちゃった」
すべての星が燃え尽きても、陽子が崩壊しても、すべてのブラックホールが蒸発しても、女子高生は生き続けた。
女子高生は、その間、延々と泣き続けていた。
さらに無限とも思える時間が流れた。
女子高生「天才化したあたしには、どれだけの時間が経過したかも、ちゃんと分かる。神社で神様にお願いをしたあの日から……10の500乗年経ってる。……あれ? 天才化したあたしには、認識できる。新しい宇宙が……始まる……!」
再び、ビッグバンが起き、新しい宇宙が誕生した。不死身の女子高生は、ビッグバンの中でも生き続けた。
地球に似たような惑星が誕生し、さらにそこに知的生命体が生まれ、文明が築かれた。彼女はそこに舞い降りた。
彼女は天才的スキルを用いて、その星の言語をすぐさまマスターした。
そんなとき、再び神が現れた。
神「もとに戻す呪文を思い出した。ガニャンピャラミッピョゴニョリャッピャ!!」
女子高生は、普通の女子高生へと戻った。
そして再び、「転校生」として、この星の高校へと入った。
女子高生「今日からよろしくお願いします!」
◆「愛子」(2026年4月29日執筆)
図書館で恐竜図鑑を手に取った大智。歩いている途中でよろめき、その図鑑が手から滑り落ちた。図鑑の背表紙側の角が、ちょうど通りかかった女性司書である愛子の足の甲を直撃した。
愛子「……いっぎい!?」
大智「大丈夫ですか!?」
愛子「らいりょうりゅでふ!!」
大智「え?」
愛子「ら、らいじょうひゅ……大丈夫」
大智「あ、大丈夫なんですね」
愛子「は、は、はい」
大智「あっ、そうか。あなたは図書館司書ですもんね。普通の人なら痛いだろうけど、図書館司書なら、大丈夫か」
愛子「うう……。役者は『舞台で死にたい』と言う。登山家は『山で死ねるなら本望』と言う。ラーメン評論家は医者に止められてもラーメンを食べることをやめない。だったら、あたしも我慢しなくちゃ……」
大智「じゃあもう片方の足の甲に、『大漢和辞典』を落としてもいいですか?」
◆「将一」 (2026年4月29日執筆)
将一(しょういち)の家に、甥の修(おさむ)が遊びに来た。
修「僕、算数得意だよー!」
将一「じゃあ、f(x)=sinxをマクローリン展開して」
修「……? あと、理科も得意だよー!」
将一「じゃあ、太陽がブラックホールになった場合のシュヴァルツシルト半径は、どう計算すればいいか分かるかい? 太陽質量をM、光速度をc、万有引力定数をGとすると……」
修「何言ってんの? 意味分かんない」
将一「つまり、その程度で得意なんて言うなってこと。自信過剰はみっともないってこと。反省しなさい」
修「…………」
◆「面接」 その2(2026年4月30日執筆)
面接官の質問に対して尻文字で答える就活生。
重度の切れ痔であるため、その尻から血が噴き出し、床には尻文字の正解を表す血文字が完成した。
◆「蒼依」 第16話(2026年4月30日執筆)
蒼依「さて、今日もアイドル活動、頑張るぞ! ……って、あれ!? この時計、遅れてる! 遅刻じゃん! 間に合わない! 今すぐ家を出ないと! 1秒でも早く出ないと!」
蒼依はそのとき、自分の左手小指の爪の小さな割れ目に、細長いヒモのようなゴミが引っかかっていることに気づいた。蒼依は急いでいたこともあり、右手でゴミを握り、渾身の力で引っ張った。そして左手小指を見ると、爪はまるごと消えており、ゴミのほうを見ると、そちらのほうに爪が引っかかったままだった。
◆「蒼依」 第17話(2026年4月30日執筆)
蒼依「いっぎいいいいい……!! いつもは事務所の車が迎えにきてくれるけど、今日はたまたまタクシーで行かなきゃならないんだよね……。とりあえずこのまま家を出て、タクシー乗り場まで走って、そしてまず病院へ……いや、病院はもういい! そんな時間はない! テレビ局に直行しよう!」
◆「蒼依」 第18話(2026年4月30日執筆)
タクシー運転手・晃之助(こうのすけ)「お嬢ちゃん、大丈夫? 顔色悪いけど、どうかしたの?」
蒼依「だ、大丈夫です。何でもありません」
蒼依はとりあえずバッグに手を突っ込み、タクシー内に血が飛び散らないようにしている。
テレビ局。
蒼依「あっ! ディレクターさん! おはようございます!」
民彦「君、遅いよ! ……ん? 汗、かいてるな。あと、なんでバッグに手を突っ込んでるの?」
蒼依「汗は冷や汗です。実は、左手小指の爪が、カクカクシカジカ……」
民彦「何だって!? 面倒臭い子だなあ! ちょっと見せて!」
蒼依「は、はい」
民彦「うわあ! 消毒だ!」
民彦は左手に持っていたポリ袋内から、さっき食べたロケ弁のレモンを取り出し、その汁を蒼依の左手小指に向かって絞り出した。
蒼依「いっぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……!!」
◆「蒼依」 第19話(2026年4月30日執筆)
蒼依は医務室で手当てを受けたが、結局、今日の番組収録は休んだ。
民彦「調子はどう? 蒼依ちゃんがいなかったから、今回の視聴率は下がるかもなあ。まあ、しょうがない。君も、今日は災難だったね。ほら、ロケ弁をやろう。レモンも入ってるぞ! ハハハ!」
蒼依「あ、ありがとうございます……」
◆「早押しクイズ」(2026年4月30日執筆)
司会「現在、クイズ王が一歩リードですが、挑戦者が予想以上の戦いっぷりを見せています。さあ、そろそろ次の問題に参りましょう!」
ナレーター「問題。オーストラリア原産で、メスはα-ラトロトキシンという神経毒を持ち、日本では1995年に大阪などで発見されて以降、港湾地域などを中心に全国的に確認されている……」
クイズ王「答えは分かったけど、早押しボタンの上にセアカゴケグモがいて、押せない……!!」
次の問題。
ナレーター「猛毒のトリコテセンを含むため、摂取すると脳神経障害により死亡することもある、その形状は人の手の指のように見え……」
クイズ王「早押しボタンからカエンタケが生えてきたから、押せない……!!」
次の問題。
ナレーター「問題。曲がり角で急に曲がるとやり過ごすことができるという、上半身のみの姿でヒジを使って移動し……」
クイズ王「早押しボタンにテケテケがしがみついてて、押せない……!!」
次の問題。
ナレーター「問題。学名はフェリス・シルヴェストリス・カトゥスという、古代エジプトではバステトのように女神として崇拝され……」
クイズ王「早押しボタンの上でネコが寝てて、押せない……!! 押したら起こしてしまう……!! 可愛い……!!」
◆「若奈」 第1話(2026年5月2日執筆)
アイドル・若奈(わかな)「今日は評論家の田倉(たくら)将一先生にインタビューしました! ありがとうございました!」
将一「ありがとうございました」
収録後。
将一「君ってアイドルなの?」
若奈「そうですよ! アイドルグループ『ゴトクガールズ』のメンバーです! 『イロリガールズ』の姉妹グループなんですよ!」
将一「君らのグループは何年くらい活動してるの?」
若奈「グループ自体は4年くらいです! あたしは2年くらい在籍してます!」
将一「ライブとかやってるんだよね?」
若奈「やってますよ!」
将一「動員数は?」
若奈「この前は5000人くらいです!」
将一「やめちまえ。今すぐやめちまえ。お前だけじゃなく、グループ自体、解散しろ」
◆「若奈」 第2話(2026年5月2日執筆)
若奈「プロデューサーさん、話って、何ですか?」
浩司「ラジオでこれからしばらくは、田倉先生と共演してほしいんだ」
若奈「嫌です……。怖いです……」
浩司「仕事だぞ。ワガママ言うな」
若奈「でも、怖くて……」
浩司「怖い? スタントマンはもっと怖いんだぞ。建設現場で働いてる人は、大ケガをすることもあるんだぞ。原発作業員は危険な仕事だぞ。ワガママ言うな!」
若奈「うう……」
浩司「それに、職場イジメやパワハラに遭っていても、我慢して働いている人は世の中にゴマンといるんだ。分かったか!」
若奈「うううう……」
浩司「よし。そんなにこの仕事に不満があるなら、しょうがない。ユーチューブでお前が日本全国のカワウソカフェを訪れるシリーズ企画の話があったよな。あれはなかったことにする。あと、ドラマのチョイ役が決まったと前に言ったよな? あれは演出家と相談して、お前じゃなくて彩音(あやね)に代えてもらうことにする」
若奈「うっ、うう……」
浩司「泣けばいいと思うな!! カスドルが!! 黙って敷かれたレールの上を歩け!!」
◆「若奈」 第3話(2026年5月2日執筆)
若奈と里美(さとみ)は、親友であり、2人とも15人組アイドルグループ「ゴトクガールズ」のメンバー。
里美「若奈は結局、田倉先生と共演するの?」
若奈「まあね……。あの先生、怖いけど……」
里美「そっか。頑張って。あたしもドラマ頑張る」
若奈「里美は最近、いっぱいお仕事もらってるよね。うらやましいな」
里美「若奈は親友だから、教えてあげる」
若奈「え? 何?」
里美「誰にも言わないでよ」
若奈「うん」
里美「プロデューサーとデートしてあげたら、お仕事いっぱいもらえるよ」
若奈「え……」
里美「他にもやってる子いるよ。誰とは言わないけど」
若奈「…………」
里美「なんで悲しそうなの?」
若奈「そ、そんなの、よくないよ……」
里美「なぜ? これがあたしの仕事の取り方なの。あたしは納得してやってることだし、プロデューサーも満足してる。何がダメなの?」
若奈「うう……」
数日後。
彩音「里美が言ってたよ」
若奈「何を……?」
彩音「若奈はいい子ぶっちゃってウザいってさ」
若奈「…………」
彩音「あなたもプロデューサーと遊んで、お仕事もらえばいいじゃん」
若奈「…………」
彩音「何、その複雑な表情。クスクスクス……」
数日後。
梨絵(りえ)「若奈先輩」
若奈「あ……。君は……」
梨絵「新しく加入した梨絵です」
若奈「ああ……。おはよう……」
梨絵「だ、大丈夫ですか?」
若奈「何が……?」
梨絵「フラフラしてません? 気分でも悪いんですか?」
若奈「……いつも、こんなもんだよ……。心配しないで……」
梨絵「そうですか……」
◆「若奈」 第4話(2026年5月2日執筆)
梨絵はある日、楽屋に入った途端、フリーズした。
若奈が、彩音と里美を含む5人のメンバーに囲まれ、泣いている。
5人は梨絵のほうを見る。全員、無表情だ。
梨絵「な、何が起きてるんですか……?」
彩音「別に」
里美「遊んでただけだよ」
梨絵「でも、若奈先輩、泣いてますよ」
彩音「昨日見た感動的なドラマを思い出して、泣いてるらしい」
里美「そういうこと」
梨絵「信じていいんですか……?」
◆「若奈」 第5話(2026年5月2日執筆)
若奈は芸能界を引退した。
若奈の大ファンであったアイドルオタクの芳雄は、若奈がコンビニでアルバイトをしているという噂を聞き、半信半疑でそのコンビニをそっと覗いてみた。
そこには、死んだ魚のような目で商品を陳列し、そして蚊の鳴くような声で接客をする、若奈の姿があった。
アイドル時代の太陽のような笑顔は、見る影もない。
芳雄は黙ってその店をあとにした。
◆「若奈」 第6話(2026年5月2日執筆)
ある日。
彩音「あれ? 久しぶり」
若奈「……! ……う、うん……。久しぶり……」
彩音「今、病院から出てきたよね? しかもお腹を押さえて。アイドル辞めたのは、もしかして妊娠したからだったのかな? クスクスクス……」
若奈「…………」
彩音「どこか悪いの?」
若奈「し、神経性胃炎になっちゃって……」
彩音「へー。何か悩みでもあるの?」
若奈「…………」
翌日。
ゴトクガールズの楽屋。
彩音「昨日、若奈に会ったよ。体壊したみたい。うつろな目で、蚊の鳴くような声で、フラフラしてた」
里美「へー……」
紗弥華(さやか)「彩音のせいじゃない? アハハ!」
彩音「紗弥華だって、若奈に向かって暴言吐いてたでしょ。自分だけはいい子でいたいの?」
紗弥華「い、いや……」
那緒(なお)「紗弥華、結構ひどいこと言ってたよねー。フフフ」
紗弥華「あんたもでしょうが!」
那緒「ま、まあ、あたしも人のことは言えないか。あたしも悪いね。ナハハ……」
梨絵「みんなですよ」
彩音「え?」
梨絵「みんなです。みんな悪いんです。あたしだって、例外じゃないです。あたしも若奈先輩を守れませんでした。同罪です。彩音先輩も、里美先輩も、紗弥華先輩も、那緒先輩も、他の先輩たちも、プロデューサーさんも、何もできなかったスタッフさんたちも……。みんなで……みんなで……みんなで若奈先輩を壊したんですよ!!」
彩音「あんた、新人のくせに、そんなこと言っていいと思ってんの?」
◆「恐竜」(2026年5月3日執筆)
恐竜の心霊写真で恐竜図鑑を作れないだろうか?
◆「科学者」(2026年5月3日執筆)
ルメートル、ガリレオ、ホイル、ボーア、プトレマイオス、アインシュタイン、ニュートン、ホーキング、シュバルツシルト、アリストテレスの10人が同じ部屋に集まったら、論争が起きるだろうか?
◆「武史」 第1話(2026年5月3日執筆)
武史(たけし)「社員数3万人の大企業であるグレートワームホール電機と、社員数300人の中企業であるヤマモト電子に合格したぞ。グレートワームホール電機はヤマモト電子の100倍も価値がある会社ってことだよなあ。よし、ヤマモト電子は辞退するか」
数年後。
武史「グレートワームホール電機に入ったけど、大口取引先が倒産してから、経営不振がいよいよヤバい。優秀な社員は退職するし、役員はため息ばかりついてるし。一方、ヤマモト電子はシーテックアワードのグランプリを受賞して、メディアの取材も増えて、一気に有名企業になってる。こんなのおかしいよな……。世の中がおかしくなってしまった……」
◆「武史」 第2話(2026年5月3日執筆)
武史「おかしいよ! グレートワームホール電機のオフィスは、こんなに近未来的でオシャレなデザインの高層ビルだぞ!? 一方、ヤマモト電子は何だよ! 全然パッとしない、古臭い社屋だぞ!? 俺らの会社のほうがすごいだろうが!! さらに言えば、グレートワームホール電機は、人気アイドルや人気お笑い芸人を使って、バンバンCM流しまくってきたんだぞ!? 一方、ヤマモト電子のCMなんて、見たことない! 俺らの会社のほうが価値があるってことだよなあ!?」
◆「武史」 第3話(2026年5月3日執筆)
武史「とうとうグレートワームホール電機は破産してしまった。世間は『あんな大企業が破産するなんて』と驚いたようだ。俺は何とかナカムラ電子ってとこに再就職できたけど、グレートワームホール電機に比べると社員数が少ないなあ。たったの400人かよ。社屋もオシャレじゃないし。それにナカムラ電子っていう名前が気に入らん。グレートワームホール電機のほうが1億倍かっこいいぞ! グレートワームホール電機の名刺、まだ持ってるけど、ときどき眺めて楽しんでるわ。それにひきかえ、ナカムラ電子って……」
◆「武史」 第4話(2026年5月3日執筆)
しかしナカムラ電子は革新的な功績により、武史を含む数名が電気科学技術奨励賞を受賞するに至った。
社長・源三(げんぞう)「いやー、よくやってくれたねえ!」
武史「ありがとうございます。あのー、僭越ながら、これからのナカムラ電子について、意見を述べてもよろしいでしょうか?」
源三「もちろんだよ! 君の意見なら歓迎だ!」
武史「じゃあ、社長! 経営に関してはド素人の私が言うのはおこがましいことかもしれませんが、何とかして社員をせめて数千人にすることって、できないんですか!? どうにかなりませんか!? できれば数万人がいいんですけどね!」
源三「え?」
武史「あと、社屋はオシャレで近未来的な高層ビルにしましょうよ! 今のビルはパッとしません! 平凡すぎます! 目立ちません!」
源三「いや、しかしね……」
武史「せっかく会社が評価されてるのに、このままじゃ恥ずかしいじゃないですか!」
源三「君ねえ……」
◆「武史」 第5話(2026年5月3日執筆)
昭春(あきはる)「武史? 武史じゃないか?」
武史「おお、昭春か。久しぶり」
昭春「お前、すごいじゃん。新聞で取材されてたよな。賞をとったんだろ?」
武史「まあね」
昭春「ナカムラ電子だっけ? それって、どこにあるんだ?」
武史「えーと、〇×町っていうところにあって……こんな感じだよ」
武史はスマホを取り出し、全然違う大企業の未来的な超高層ビルの画像を見せた。
昭春「すっげえ! こんなところで働いてるのか!」
武史「ヘヘヘヘヘ! まあね!」
昭春「……あれ? 俺のスマホで検索したら、そんなビルじゃないぞ」
武史「……す、すまん。今のは、ちょっとふざけただけなんだ」
昭春「なんだ。冗談かよ。ホントはこれだよな? 普通のビルだな」
武史「…………」
昭春「なんで肩を落としてるんだ?」
武史「いや、ごめん。何だか恥ずかしくてさ。平凡な社屋とか、ついでに言うと社名も」
昭春「外観が平凡なビルでも、名前が普通でも、世界的な企業や優秀な企業はいっぱいあるぞ。もっと本質を見たほうがいいんじゃないか? いくらカッコイイ社名をつけて、有名建築家が手がけたビルを建てても、技術力や経営力が伴わなければ、そのうち衰退するだろう」
武史「…………」
昭春「それにさ、お前がかつて勤務してた『グレートワームホール』って、日本語訳するとどうなる?」
武史「どうなるって、そりゃ……『すごい虫食い穴』だろ?」
昭春「『すごい虫食い穴』って、カッコイイのか?」
武史「うっ……。……い、いや、でも、大企業だったし、カッコイイって感じたんだよ!」
昭春「つまり、そういうことなんだ」
武史「は? どういうことだ?」
昭春「お前、『東京大学』っていう名前、どう思う?」
武史「超カッコイイ」
昭春「だよな。でも、地名に『大学』ってついてるだけだ」
武史「…………」
昭春「つまりな、名前のカッコよさなんてものは、中身が成長すれば、あとから勝手についてくるものなんだよ!」
◆「武史」 第6話(2026年5月3日執筆)
武史「ああ……。うう……」
逸治(いつじ)「どうした?」
武史「あ、先輩。おはようございます」
逸治「何か悩んでるのか?」
武史「社長に褒められたんです」
逸治「いいことじゃないか」
武史「それで、『何か希望があったら言いなさい』って言われたんです。でも言いづらくて、結局、言えなかったんです」
逸治「何を言おうとしたんだ?」
武史「社長の名前って、ナカムラでしょ?」
逸治「ああ。ナカムラ電子の社長だからな」
武史「その社長に、『社名を変えてほしい』なんて、言えないでしょ?」
逸治「何だ、その希望は? 一体、どんな名前にしたいんだ?」
武史「『ティラノサウルスベテルギウスエレクトロニクス』にしたい」
逸治「…………」
武史「どうです? カッコイイ名前でしょ?」
逸治「でも、ティラノサウルスはもう絶滅してるし、ベテルギウスも寿命が近くて、そろそろ超新星爆発するらしいじゃん」
武史「…………」
◆「蒼依」 第20話(2026年5月3日執筆)
単発の心霊番組。
霊能者・骨蔵(ほねぞう)「この心霊写真を見てください。ここにモヤのようなものがあるでしょう」
司会・蒼依「ありますね。これはどんな霊なんですか?」
骨蔵「あなたです」
蒼依「え?」
骨蔵「次に、この心霊写真を見てください。こちらも、ここにモヤのようなものがあるでしょう」
蒼依「そ、それはどんな霊なんですか?」
骨蔵「わたしです」
蒼依「…………」
骨蔵「さらに、こちらの写真です。こちらも、ここにモヤのようなものがあるでしょう」
蒼依「ど、どんな霊なんですか?」
骨蔵「ただのモヤです」
蒼依「…………」
骨蔵「この岡部蒼依を見てください。ここにわたしのようなものがあるでしょう」
蒼依「はい?」
骨蔵「それはウンコです」
蒼依「…………」
骨蔵「ポギャンペギョリップギャッポオオオオオオオオオオ!! ペギュリッピョガペンリャッピョオオオオオオオオオオ!!」
蒼依「ひいっ!!」
骨蔵「怖いでしょう? 心霊番組だから、怖くしないとね」
蒼依「…………」
◆「蒼依」 第21話(2026年5月4日執筆)
蒼依の部屋。
久しぶりに夕実子が遊びに来た。
一応、仲直りはしている。
蒼依「キャアアアアア!!」
夕実子「どうしたの?」
蒼依「クモがいるの!」
夕実子「ああ、天井の端っこのやつ? あれ、イエユウレイグモじゃん。超大人しいクモだよ。そこまで怖がらなくても」
蒼依「でもあれって、世界最強の毒グモらしいよ!!」
夕実子「それは……」
以下の夕実子の発言選択肢は、それぞれ適切だろうか? 不適切だろうか?
1.「それは間違った情報だよ。イエユウレイグモは弱い毒はあるけど、人間には効かないんだ。そもそも咬まれる可能性もかなり低いよ」
2.「そんなん信じてるとか、幼稚園児なの?」
3.「ギャハハハハハ!! ギャハハハハハハハハハハ!!」
4.「はあ? はあ? はああああああああああ?」
5.「デマや都市伝説に惑わされてはいけない。玉石混交の情報があふれ返る現代社会において、情報の取捨選択は人類にとって重要な責務である」
6.「そんなの信じてるなんて、可愛いなあ」
7.「え? ……うん。フフフ。そうだよ。猛毒だよ。今夜あたり、君は死ぬかもね」
8.「アハハ。そんな不名誉な誤情報を流されて、イエユウレイグモ君もいい迷惑だなあ。いや、むしろ名誉なことなのかな?」
9.「君は世界最凶のアホアイドルだね」
10.「ほぼ無毒だけど、つかまえようか? そのあと外へ逃がしてあげよう」
◆「武史」 第7話(2026年5月4日執筆)
武史「おっ、爺ちゃんから電話だ。……もしもし。爺ちゃん、久しぶり」
三郎(さぶろう)「もしもし。お前、なんか賞とったのか? ワシにはよくわからんが……」
武史「うん。とったよ」
三郎「そうか。おめでとう。そういうことなら、ちゃんと、お祝いしないとなあ」
武史「ハハハ。気を遣わなくていいよ」
三郎「お前の今の会社って、何ていうんだ?」
武史「えっと、ナカ……」
三郎「ん?」
武史「『セントラルヴィレッジエレクトロニクス』だよ」
三郎「はあ?」
武史「『セントラルヴィレッジエレクトロニクス』!」
三郎「ほう。横文字はよく分らんけど、カッコイイな」
武史「でしょ!? カッコイイよねえ!! カッコイイよねえ!!」
三郎「ああ。……すまん、なんか婆さんが呼んでる」
武史「あ、うん。またねー。バイバイ。……フフフ。フフフフフ。……よっしゃ! やったぜ!!」
◆「光男」 第1話(2026年5月7日執筆)
人気が低迷している学園漫画。
作者の光男(みつお)は、人気キャラを死なせた。
すると注目度が上がり、人気が回復した。
しかし、しばらくするとまた人気が下がった。
光男は、いきなり今までのすべてが夢だったことにした。
すると注目度が上がり、人気が回復した。
しかし、しばらくするとまた人気が下がった。
光男は、夢だと思っていたこと自体が夢で、やっぱり現実だったことにした。
すると注目度が上がり、人気が回復した。
しかし、しばらくするとまた人気が下がった。
光男はいきなり「トカゲ星人」を登場させ、ジャンルをSFホラーにした。
すると注目度が上がり、人気が回復した。
しかし、しばらくするとまた人気が下がった。
光男はトカゲ星人は集団幻覚だったことにして、別の奇抜な存在を登場させようと考えている。
◆「光男」 第2話(2026年5月7日執筆)
アニメプロデューサー・忠文(ただふみ)「アニメ化させていただきます」
光男「ありがとうございます!」
忠文「ただ、学園生活期だけにしようと思います」
光男「え? そのあとは? トカゲ星人は?」
忠文「そこまではやらないつもりです。どうでしょう?」
光男は、以下のどれを選ぶべきだろうか?
1.「いや、トカゲ星人もやってくださいよ!」
2.「それでお願いします。そのほうがいいですよね」
3.「原作を無視するようなアニメ化はお断りだ!」
4.「ま、金が入るなら何でもいいや」
◆「忠文」 第1話(2026年5月7日執筆)
忠文「大学では何を研究されてたんですか?」
将一「科学を研究してました」
忠文「どんな内容なんですか?」
将一「ご説明しても、ご理解いただけないと思いますよ。私とあなたの教養には、雲泥の差がありますから」
忠文「ハハハ。そうかもしれませんね。でも、教えてくださいよ」
将一「では、少々長くなりますが、ご説明いたしましょうか?」
忠文「是非」
将一「スピン1のボース粒子であるグルーオンは強い相互作用を担うが、それにともなうクォークの閉じ込めは場の量子論における重要問題であり、さらに関連するヤン=ミルズ理論における質量ギャップの存在については、そもそもまずハミルトニアンのもとでシュレディンガー方程式を解くには摂動論、すなわちテイラー展開で……」
忠文「…………」
◆「忠文」 第2話(2026年5月7日執筆)
将一「……というわけなんです。あなたにはチンプンカンプンでしょう? ハハハハハ……」
忠文「この世界には、普通の状態と元気な状態があるんですね。その状態の差がキーになってくるわけですね。で、星や僕らの体は、小さなツブツブでできてるけど、そのツブツブには種類があると。1個だけ取り出せるツブツブと、1個だけ取り出せないツブツブがあると。で、1個だけ取り出せないツブツブのほうは、この世界にある4つの力のうちの1つを担当する、言わば接着剤みたいなツブツブでくっついちゃってて、取り出せないんですね。そのことが、普通の状態と元気な状態の差があるということに対応してるかもしれないわけですね。で、それが実際のところどうなのかとか、どんな感じでくっついちゃってるのかとか、そのへんをもっと解き明かすことが、課題になってるわけですね。そんなイメージで大丈夫でしょうか?」
将一「そ、そ、そ、そうです。そ、そんな感じで大丈夫です」
忠文「変なまとめ方をして、申し訳ないです。頭が悪いもので」
◆「水」(2026年5月8日執筆)
彼女「水みたいなウンコが出た」
彼氏「大丈夫?」
彼女「そのウンコは飲んだ」
彼氏「大丈夫!?」
彼女「水みたいなんだから、大丈夫。水は毒じゃない」
彼氏「……大丈夫?」
◆「一華」(2026年5月8日執筆)
一華と沙良は、アイドルグループ「イロリガールズ」のメンバー。
一華「沙良、これ見て」
沙良「ん? ストリートビュー?」
一華「更新されて、あたしが歩いてるところが写ってるの」
沙良「あ、ホントだ。アハハ」
一華「でね、3年前にも、別の場所で、あたしが歩いてるところが写ってるの。ほら」
沙良「ホントだ。アハハ」
一華「でも、重要なのはそこじゃないの」
沙良「へ? どういうこと?」
一華「不人気アイドルのあたしが言うのも、笑えるかもしれないけどさ……。まずはこの3年前のほうなんだけど、位置を後ろにズラしてみるね。……ここ見て。男の人が写ってるでしょ?」
沙良「うん。それがどうかしたの?」
一華「次は、新しく更新されたほう。あたしのいるところから少し後ろに行くと……ほら。3年前とまったく同じ背格好で、まったく同じ服装で、まったく同じ髪型の人が、写ってるの!」
沙良「へー。すごい偶然だねー。アハハ」
一華「…………」
◆「隕石」(2026年5月9日執筆)
A「東京に隕石が落ちるらしい。もうおしまいだ」
B「安心しな。あれは間違いだったらしいよ」
A「そうなの?」
B「うん。本当は小惑星らしい」
A「小さいのか。あー、よかった」
◆「武史」 第8話(2026年5月11日執筆)
武史「先輩。明日から旅行に行くんですか?」
逸治「ああ。有休取って、1週間、ドイツに行ってくるよ」
武史「ほー。いいですねー」
逸治「ちょうどよかった。それに関連して、ちょっと話がある」
武史「え?」
逸治「実は、利樹(としき)がコロナに感染して、しばらく来れない」
武史「そ、そうなんですか?」
逸治「ああ。だからサイト更新作業をする奴がいなくなる。というわけで、俺らがいない間、武史が更新してくれないか」
武史「あー、なるほど。いいですよ!」
逸治「すまんね」
翌日。
武史「サイト更新作業、やるか。……この社屋の写真、全然違う大企業のすごいビルに差し替えてみよう。いや、今だけだ。今だけ。あとでまたもとに戻すから……。……おお! いいね! フフフ……」
電話が鳴った。
武史「はい。ナカムラ電子です。……ああ、いつもお世話になっております。ええ。ええ。はい。え? えーと……その件は……」
20分後。
武史「予想以上に電話が長引いてしまった。さっさと作業を終わらせるか」
数時間後。
武史「何か忘れてるような……。まあいいか」
翌日。
武史は、上司から激怒された。
その後。
武史「ふー。まさか、SNSでネタ化されてるとは思わなかった。上司と社長と勝手に使った写真の会社に謝罪しまくったぜ。ケアレスミスってことで何とか通したけど……。逸治先輩と利樹先輩が帰ってきたら、2人にも謝らなきゃなあ。しかし懲戒処分かー。でも、減給でまだよかった。解雇じゃないからな」
◆「武史」 第9話(2026年5月11日執筆)
武史「利樹先輩、もう大丈夫なんですか?」
利樹「あ、ああ。……もう元気だよ」
武史「よかったです!」
その後。
武史「逸治先輩、本場のソーセージ食べました?」
逸治「え? ま、まあな……。それと、あとでお土産を配るよ」
武史「ありがとうございます!」
その後。
武史「2人とも帰ってきたけど、何も言ってこないなあ……。じゃあ、別に謝らなくてもいいかな?」
◆「武史」 第10話(2026年5月11日執筆)
武史「いや、謝ろう。まずは利樹先輩から。……利樹先輩」
利樹「お、おう。何?」
武史「サイトの件なんですけど……。写真の……」
利樹「……あれか。ただ、俺、今すぐ報告しに行かなきゃいけないことがあって、忙しいんだ。そのあとも予定が詰まってる。悪いけど、このメモ用紙に言いたいことを書いておいてくれないか?」
武史「始末書はもう書きましたよ」
利樹「いや、俺に謝りたいんだろ?」
武史「ええ」
利樹「今日、俺、ずっと忙しいし、紙にまとめてくれ」
武史「謝罪くらい、数分で済みますよ」
利樹「ま、まあな。……あー、でも、こういうのは、文字にしたほうが、いいと思うんだ。言い訳も書いていいから。言いたいこと、全部書け。怒らないから」
武史「は、はあ」
利樹「じゃ、行ってくるわ。よろしく」
武史「あ、はい」
利樹は立ち去った。
武史「……よく分からん面倒臭いことさせるなあ……」
武史は、「自分の歪んだこだわりのせいで極めて不適切な行為に及んでしまった」「信頼して仕事を任せていただいたのに、誠に申し訳ありませんでした」などと、メモ用紙の上で謝罪や反省の言葉を述べた。
武史「あ、利樹先輩。お帰りなさい。これ……」
利樹「すまん、まだ忙しいんだ。また行かなきゃならん。書いたのか? お疲れ。俺の机の上に置いといてくれ」
武史「あ、はい」
その後。
武史「あとは逸治先輩に謝らないと。……ん? ……あー、そうだな。せっかく謝罪文を書いたんだから、これをコピーして、逸治先輩の机にはコピーしたほうを置いとけばいいか」
◆「武史」 第11話(2026年5月11日執筆)
武史「いや、待てよ。逸治先輩、去年の忘年会で腹踊りやってたよな。俺が腹に謝罪文を書いて見せたら、笑って許してくれるんじゃないか? 逸治先輩って真面目そうに見えて、祭りとか忘年会の余興とか、意外とそういうの好きだからな」
◆「ループ」(2026年5月12日執筆)
朝起きると、昨日と同じ1日が始まっていた。
次の日も、次の日も、同じ1日だった。
自分以外は誰もループに気づいていないようだ。
この場合、ループを脱け出すために、どこへ行けばよいですか?
※幻覚などではなく、ループは現実とします。
1.病院
2.警察
3.役所
4.国会議事堂
5.法律事務所
6.探偵事務所
7.図書館
8.教会
9.神社
10.デパート
11.家電量販店
12.時計屋
13.カレンダーメーカー
14.便利屋
15.占い館
16.時計台
17.国立天文台
18.情報通信研究機構
19.宇宙物理学研究施設
20.空港
◆「敬子」 第1話(2026年5月12日ごろ執筆)
敬子(けいこ)と知恵(ちえ)と蘭架(らんか)は、3人組アイドルグループ「ハビタブルガールズ」のメンバー。
ある日。
知恵は自分の飼っているアダンソンハエトリグモを、ケースに入れた状態でテレビ局に持ち込み、番組で紹介した。
知恵「可愛いでしょう。アダノスケっていう名前なんです」
お笑い芸人「クモ飼ってる女の子とか、珍しいなー」
敬子「知恵ちゃんは昆虫とかクモとか好きなんですよ」
蘭架「あたしはカニアレルギーでっす!」
敬子「それ、今、関係ないよ……」
収録後。
3人は楽屋に戻り、そこで休憩し始めた。
知恵「2人は今日、このあと予定あるの? あたしはないけど」
敬子「あたしもないよ」
蘭架「あたしもない!」
知恵「へー。じゃあ、このあと久しぶりに3人でいっしょに、パフェでも食べに行く?」
敬子「うん! 行こう!」
蘭架「いいねー!」
そのあと、知恵と敬子がトイレに立った。
敬子が先に楽屋に戻ってくると、蘭架が室内をウロウロしている。
敬子「どうかしたの?」
蘭架「アダノスケちゃんを触ろうと思って、ケースから出したんだけど、見当たらなくなっちゃった!」
敬子「何やってんの!? 知恵ちゃんに怒られるよ!?」
蘭架「どこだろどこだろどこだろどこだろ……」
敬子「ああああああああああああああああああああ!!」
蘭架「何?」
敬子「蘭架ちゃん、今、足で……!!」
蘭架「?」
蘭架が一歩下がると、床でアダノスケが動かなくなっている。蘭架は靴でアダノスケを踏んでしまったようだ。
蘭架「うわああああああああああああああああああああ!!」
そこへ知恵が帰ってきた。
立ったまま足もとを見つめている蘭架の視線を知恵がたどって、動かなくなったアダノスケに気づいた。
蘭架「知恵ちゃん、ごめん! ケースから出したら、どこに行ったか分からなくなって、踏んじゃって……」
知恵はアダノスケに駆け寄り、しゃがみ込み、アダノスケを拾い上げ、手のひらの上に載せた。そして、その亡骸を見つめながら、ゆっくりと立ち上がった。
蘭架「ち、知恵ちゃん、ごめんなさ……」
知恵「ごめんで済むかああああああああああああああああああああ!!」
蘭架「ううっ……!」
知恵「なんで勝手に出した!? バカなんじゃないの!? バカでしょ!? アダノスケはあたしの友達なの! 家族なの! 大切な仲間だったの!」
蘭架「ごめんなさい!」
知恵「それをあんたは……あんたは……踏みつぶしたの!」
蘭架「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」
蘭架は泣き出した。
知恵「なんであんたが泣くの!? うっとうしい! 消えろ! 失せろ! アホ! ボケ! カス!」
蘭架「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」
知恵「どれだけ謝ったって、アダノスケは帰ってこないの!」
蘭架「ごめんなさい!! ごめんなさい!!」
知恵「どれだけ……謝ったって……」
知恵も泣き出した。
そんな2人の様子を見て、敬子も泣き出した。
プロデューサー・平一(へいいち)「おーい、敬子、知恵、蘭架。いるか?」
楽屋のドアを外側からノックしている、プロデューサーの平一。
平一「ちょっと伝言があるんだけど、いいか? ……おい! いないのか!?」
平一がドアを開けた。
すると彼の目に飛び込んできたのは、なぜか3人そろって泣きじゃくっている、ハビタブルガールズ。
平一「うわっ……」
平一は、楽屋に足を踏み入れることなく、ゆっくりとドアを閉じ、立ち去った。
◆「敬子」 第2話(2026年5月12日ごろ執筆)
楽屋。
知恵「大体、蘭架はいつもいつも人に迷惑かけて! 余計なことばかりして! そそっかしいくせに走り回るし! スタッフさんの手もわずらわせるし!」
知恵は10分以上にわたって、蘭架を非難し続けた。
知恵「……あんたなんか、いなければいい! 生きてる価値ないんだよ!」
蘭架「…………」
知恵「ああ、もう。気分悪い。あたし、帰る!」
知恵はケースにアダノスケの亡骸をしまい、ケースとリュックサックを手に、大きな足音を立てながら楽屋を出てしまった。
敬子と蘭架が取り残され、楽屋はシーンと静まり返った。
2人はしばらくの間、無言で立ち尽くした。
敬子「……ら、蘭架ちゃん。さっきの知恵ちゃんは、ちょっと感情的になってただけだと思うから……」
蘭架「……あたし、生きてる価値ないよね。分かってる。うん。分かってる。アダノスケちゃんと知恵ちゃんのために……責任を、取る」
蘭架はバッグも持たずに、ゆっくりとドアのほうへ向かう。
敬子「どこへ行くの?」
蘭架「さようなら。今までありがとう」
蘭架は楽屋を出ていった。
敬子「えっ……」
蘭架は、テレビ局内をスタスタと歩く。
途中で、知恵を追い抜いた。
そこで蘭架はクルリと半回転し、立ち止まる。
知恵も立ち止まる。
知恵「な、何……?」
蘭架「知恵ちゃん、ホントにごめんね。責任を取るからね」
蘭架はまた体の向きをもどに戻し、スタスタと歩を進め、廊下の先の曲がり角を曲がり、知恵からは見えなくなってしまった。
知恵「……?」
敬子も、知恵の後ろまで来ている。
敬子「ね、ねえ、知恵ちゃん。蘭架ちゃんは……?」
知恵「…………」
◆「敬子」 第3話(2026年5月12日ごろ執筆)
敬子と知恵は、蘭架に追いつき、つかまえた。
知恵「あんた! 変なこと考えてるんじゃないでしょうね!?」
敬子「蘭架ちゃん! 行かないで!」
蘭架「イタタタタ! 何すんの!? 2人とも!?」
話を聞いてみると、敬子と知恵は勘違いをしていたようだった。
蘭架は、プロデューサーのもとへ向かい、グループを脱退すると告げようとしていたとのことだ。
敬子「そうだったの……」
知恵「ややこしいことしないでよ……」
敬子「で、でも、脱退もしないでよ」
知恵「脱退したらアダノスケが帰ってくるわけじゃないんだから」
蘭架「じゃ、じゃあ、あたしは、どうしたら……」
蘭架はまた涙目になった。
知恵「お葬式とかそういうあとのことはあたしが考えるから、あんたはここでアダノスケに謝って手を合わせてくれれば、それでいいよ」
蘭架「分かった……。アダノスケちゃん、ホントにごめんね……」